Colum – Far East Blockchain https://fareastblockchain.com FEB株式会社は、2018年に設立された、東京を拠点とするブティック型ビジネスコンサルティングファームです。ブロックチェーン技術を採り入れたビジネスコンサルティングおよび支援、各種リサーチ、視察支援、マーケティング、PRなど通じて日本、中国、韓国、ロシアでの活動を支援しています。 Thu, 29 Jul 2021 06:41:43 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 中国、韓国クリプト市場動向 https://fareastblockchain.com/j/colum/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%80%81%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e5%b8%82%e5%a0%b4%e5%8b%95%e5%90%91/ https://fareastblockchain.com/j/colum/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%80%81%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e5%b8%82%e5%a0%b4%e5%8b%95%e5%90%91/#respond Wed, 28 Jul 2021 03:20:05 +0000 https://fareastblockchain.com/?p=780 2021年に入ってから、世界各国の例に漏れず東アジア諸国のクリプト市場も目まぐるしくその動向は変化しています。

特に規制は、コミュニティの活動に大きな影響を与えます。

本稿では、クリプト市場で特に大きな存在感を示す中国と韓国の規制動向とコミュニティの状況を紹介したいと思います。

 

 

 

 


 

中国

・市場動向

中国では今年5月19日に国内でのマイニング全面禁止や銀行に対して一切の仮想通貨関連取引を禁止するなど厳しい規制を発表して以降、仮想通貨関連事業だけでなく個人による投資も低調でした。こうした動きについて関係者の間では、7月1日に行われた中国共産党創立100周年イベントに向けたパフォーマンスであり、8月以降は現在よりも規制が強まることはないと言われています。しかし7月15日に中国の大手クリプトメディア「币世界」が運営停止を発表するなど、未だに仮想通貨関連事業者が中国国内での活動を停止し、海外に移転するという動きが見られています。7月16日には、中国人民銀行がデジタル人民元のホワイトペーパーを公開しており、政府による規制が行き届きにくいビットコインなどのパブリックチェーンに関連する事業者の中国国外への流出の動きは、今後も続くことが予想されます。

 

・コミュニティ

最近の厳しいクリプト関連規制の影響で、Weibo(微博)やWechat(微信)といったSNSを中心として、クリプト関連情報を発信しているアカウントやグループが停止されるといった事案が報告されています。またクリプト関連メディアでも、特定のプロジェクト、特にトークンセールに関連した情報への言及は控える傾向にあり、それに伴い投資の動きは低調でした。こうした状況も、中国共産党創立100周年イベントを終えてからは改善すると見られています。

 


 

韓国

・市場動向

今年3月に施行された「特定金融取引情報の報告及び利用に関する法律」(特商法)の改正により、暗号通貨取引所が業務を行うためには、9月24日までに金融情報機構(FIU)に報告書を提出する必要があります。銀行から実名認証の口座を取得しなければ、取引ができないため、取引所は銀行から実名認証を得るために、上場していたコインを大量に上場廃止することを決定しており、基本的に通貨の新規上場は停止しています。

中央銀行発行によるデジタル通貨(CBDC)の開発が積極的に進められており、7月20日の韓国中央日報の報道によると、韓国の中銀である韓国銀行は、CBDCの試験運用業者として、韓国ネット大手カカオのブロックチェーン子会社「グラウンドX」を選定しました。カカオはイーサリアム共同創業者ジョセフ・ルービン氏が率いる米国のコンセンシスと協力して開発される予定です。

 

・コミュニティ

ビットコイン相場が低調であるため、新興プロジェクトへの投資やDeFiのイールドファーミングを利用した収益化に対して積極的です。コミュニティの人々はAMAや掲示板、インフルエンサーが発信する情報を通じて、新しい有望なプロジェクトやトークンセールを探している。DeFi銘柄が特に人気があり、トークンセールに限らず、APYの高いBSCベースのイールドファーミングなどの関心が高いです。

 


 

FEB株式会社では、クリプト領域に特化したマーケティング支援の部門があり、中国、韓国およびグローバルのクリプトコミュニティの最新動向に合わせた、テーラーメイドで効果的かつ低コストなマーケティングサービスを提供しています。

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リサーチレポート : グローバルクリプトトレンド調査 – NFT篇 https://fareastblockchain.com/j/colum/%e3%83%aa%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88-%e3%82%b0%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%ab%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e3%83%88%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%89/ https://fareastblockchain.com/j/colum/%e3%83%aa%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88-%e3%82%b0%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%ab%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e3%83%88%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%89/#respond Sat, 26 Jun 2021 06:49:07 +0000 https://fareastblockchain.com/?p=742 FEB株式会社は、中国、日本、韓国、ロシアの仮想通貨取引所、コンサルティング企業、メディア、SNSインフルエンサー、リサーチャーなどクリプト関係者を対象に、NFTをはじめとするクリプト分野におけるトレンドについての調査を実施しました。

NFTは中国で最も活発なトレンドを観測、ロシアでは低調

16種のNFTプロダクトおよび7種のNFTブロックチェーンの人気の度合いを尋ねた設問に対する回答を通じ、各国ごとにトレンドの活発さの違いが見られました。

中国では、NFTプロダクト、NFTブロックチェーンともに人気があるものが多く、最も活発なトレンドが見られました。その次に日本、韓国が続き、ロシアはNFTプロダクト、NFTブロックチェーンいずれでもあまり活発なトレンドは見られませんでした。

NFTはDeFiに次ぐトレンド

NFT、DeFi、ステーブルコイン、ICOの4つの領域の中で最も活発なものについて尋ねた設問では、47.8%が「DeFi」と答え、最も多い回答でした。次いで「NFT」と回答した人は34.8%、ICOと回答した人は17.4%でした。「ステーブルコイン」「セキュリティトークン」と回答した人はどちらもいませんでした。

ブロックチェーン、プロダクトの人気に地域差

最も人気のあるNFTブロックチェーンについて尋ねた設問では、「Ethereum」という回答が84.2%と圧倒的でした。Ethereumに続く人気のあるブロックチェーンの地域別特徴としては、中国では、「Flow」と「Bakery Token」、韓国では「Chiliz」、日本では「Enjin」「Flow」、ロシアでは「Theta」と「Flow」の名前が挙がりました。

最も人気のあるNFTプロダクトについて尋ねた設問では、「NBA Topshot」の回答が最も多く、全体の38.4%でした。その次には「CryptoKitties」が続き、全体の21.7%でした。

人気のあるNFTプロダクトの地域別特徴としては、中国では「NBA Topshot」が最も人気で、その次には「CryptoKitties」のほか、「Tops MLB」、「Axie Infinity」、「MyCryptoHeros」が続きました。

日本では「NBA Topshot」と「MyCryptoHeros」との回答が同数で最も多く、「CryptoKitties」、「Sorare」、「F1 Delta Time」がそれに続きました。韓国では「CryptoKitties」が最も人気で、「NBA Topshot」と「MyCryptoHeros」がそれに続きました。ロシアでは回答が分かれたものの、「CryptoKitties」が最も人気で、「CryptoPunks」がそれに続きました。

また利用されているNFTマーケットプレイスでは「Opensea」が圧倒的で、回答全体の61.8%を締占めました。

 

DeFiはバブルではないが、NFTはバブル

NFTやDeFiがバブルであるかという設問に対しては、「NFTはバブルだ」と回答した人は、全体の66%を超え、その数は「DeFiはバブルだ」と回答した人の2倍以上でした。ただし中国で「NFTはバブルだ」と回答した数は全体と比較して半分程度であり、中国では現在のNFTの盛り上がりは本質的な価値に即していて、その価格は適正だと考えられているのかもしれません。

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コラム『クリプトマーケティング視点から見た韓国市場概観』 https://fareastblockchain.com/j/colum/%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%80%8e%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0%e8%a6%96%e7%82%b9%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%81%9f%e9%9f%93/ https://fareastblockchain.com/j/colum/%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%80%8e%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0%e8%a6%96%e7%82%b9%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%81%9f%e9%9f%93/#respond Wed, 27 Jan 2021 05:14:20 +0000 https://fareastblockchain.com/?p=544 前回は中国のクリプト市場を概観しました。本記事では、韓国のクリプト市場の理解を深めるためのクリプトマーケティング視点から見た簡単なインサイトをシェアしたいと思います。

 

 

 

 

 


 

市場環境

まず市場環境について。韓国では、韓国政府*1 やソウル市政府*2 、大手インターネット企業Kakao*3 を始めとした大企業など、国全体としてブロックチェーン技術の研究、開発が積極的に進められています。一方、投資面においては2017年の仮想通貨バブル、ICOブームを契機に仮想通貨投資は大変な人気を博しましたが、詐欺行為の横行や、著名仮想通貨系Youtuberの炎上などがあり、現在ではその過熱感は収束しています。併せて規制の整備も進められており、その過程で以前は数多くあったメディアやコミュニティサイトなどの関連事業の淘汰が進み、業界も健全化してきています。

 

 

習慣

仮想通貨に関連したところで言えば、韓国人の熱しやすく冷めやすい国民性がよく言及されます。象徴的な事例ではキムチプレミアム*4 が挙げられます。キムチプレミアムとは、韓国市場でビットコインの買い需要が過熱した際に発生する、韓国国内におけるビットコイン価格がグローバル価格に対して高くなる価格形成を指します。2017年末に最も活発にビットコインが買われていた時期には、最大20%のキムチプレミアムが発生しました。

 

 

メディア

韓国で特に強調すべきなのは、コミュニティサイトです。大きいものではCoinpan(コインパン)やCobak(コバック)が有名ですが、Naver Cafeという大手検索サイトNaverが運営するコミュニティプラットフォーム上にもいくつか非常に大きいコミュニティサイトがあります。彼らはこうしたサイトの掲示板で気軽に情報交換することを好みます。新しい情報に対しては、まず短く気軽な投稿を数多く交わし、関心が高いテーマについてはより深い議論を行います。

 

TOKENPOST、BLOCKMEDIA、Blockinpressが仮想通貨黎明期から運営されており、影響力を持っていました。しかし2017年の業界の盛り上がりと、その後二年間の市場低迷、さらに業界の規制整備が進むにつれ、メディアの新旧交替が進んでいます。特に現在ではNaverでインデックスされることがトラフィックに大きく影響を与えています。当局による規制のためコンテンツの表現についても厳しく、注意が必要です。

メッセンジャーアプリとしてはKakao Talkが最も人気であり、情報交換のベースになっています。よりリテラシーの高いユーザーの間ではTelegramもよく使われています。

 

 

インフルエンサー

韓国ではかつてYoutuberが最も人気のあるインフルエンサーとして非常に大きな影響力を持っていましたが、2018年に著名Youtuber、SpunkyがScamプロジェクトを紹介し報酬を得ていたことで炎上してから、Youtuberたちは影響力を失いつつあります(Spunkyはその後、襲撃被害にも遭いました)。最近ではブロガーが影響力を持っており、彼らはNaver Blogや一部のTelegramグループを通じて情報発信を行っています。

 

 

トレンド

韓国ではビットコイン、イーサリアム以外のアルトコインへの投資が人気であることが特徴として挙げられます。彼らはまだあまり注目されていない有望で小さなプロジェクトを探し出し、ハイリターンを狙います。その中で、新しくプロジェクトが立ち上げられる際にしばしば実施される、トークンエアドロップ(トークンの無償配布)も人気があります。日ごろからエアドロップ情報を探している人も多く、数日で数百人の応募が集まることも珍しくありません。

またオンラインで開催されるAMA(Ask Me Anything)イベントも人気があります。韓国で人気のブロックチェーン技術に基づいたソーシャルメディア、Bananatokで毎週開催されるAMAでは毎回エアドロップが行われ、数万人規模の活発なコミュニティに成長しています。

 

 

ファンド・プロジェクト

また機関投資家によるクリプト投資も盛んであり、#HASHED(ハッシュト)や日本企業LINEの子会社であるUnblock Ventures、Kakaoの子会社であるKakao Venturesなど多くのクリプト投資専門ファンドが存在します。特に#HASHED、はサンフランシスコにも拠点を構え、Ethereum、EOS、COSMOSを始めとした数多くのビッグプロジェクトへの投資実績を持ち、世界中で存在感を放っています。

 

グローバルで存在感のある韓国発のプロジェクトについても人気があります。Kakaoの子会社GroundX(グラウンドエックス)が立ち上げたパブリックブロックチェーン、Klaytn(クレイトン)や、韓国版イーサリアムと呼ばれるスマートコントラクトプラットフォーム、ICON(アイコン)などが代表的で、彼らは韓国ファンドを中心とし、グローバルで活動する主要なファンドから投資を受けています。

 

 


 

まとめ
・バブルを経て市場は健全化、規制は整備されつつあり、仮想通貨およびブロックチェーンの本格的な導入が進む
・韓国人の国民性に合わせたチャネル選定とコミュニケーション手法が必要
・いくつかのプロジェクト、ファンドはグルーバルで存在感を持ち、コミュニティもそれを注視している

 

下記のリンクからは中国、韓国の市場動向の概要と英語圏のクリプトメディア情報を見ることができます。

海外クリプト市場動向 ※2020年12月時点

 

*1 블록체인 기반 온라인 투표 시스템 나온다 (https://v.kakao.com/v/20200624165519865)
*2 서울시 11월 블록체인 행정서비스 도입 준비 ‘착착’ (https://blockinpress.com/archives/20618)
*3 Korean internet giant Kakao is launching a blockchain company (https://techcrunch.com/2018/03/05/korean-internet-giant-kakao-is-launching-a-blockchain-company/)
*4 Kimchi Premium (https://www.investopedia.com/terms/k/kimchi-premium.asp)

 

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コラム『クリプトマーケティング視点から見た中国市場概観』 https://fareastblockchain.com/j/colum/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0%e8%a6%96%e7%82%b9%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%81%9f%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%80%81%e4%b8%ad%e5%9b%bd/ https://fareastblockchain.com/j/colum/%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%97%e3%83%88%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0%e8%a6%96%e7%82%b9%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%81%9f%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%80%81%e4%b8%ad%e5%9b%bd/#respond Fri, 22 Jan 2021 08:13:22 +0000 https://fareastblockchain.com/?p=522 中国はブロックチェーン・仮想通貨産業において、投資家、開発者を中心とした巨大なコミュニティを持ち、グローバルマーケットに対しても非常に大きな影響力を持っていることが世界の共通認識であることに異論の余地はないでしょう。しかし文化的、言語的障壁のために、中国情勢について正確に把握し、適切な戦略を実行することは極めて困難であり、これを達成している海外プロジェクトは本当に少ないと感じます。

本記事では、中国のクリプト市場の理解を深めるためのクリプトマーケティング視点から見た中国についての簡単なインサイトをシェアしたいと思います。

 

 


 

市場環境

まず市場環境について。中国では、アリババ社が世界最多のブロックチェーン技術関連特許を保有*1するなど、仮想通貨だけでなくブロックチェーン技術においてもグローバルレベルの質の高い研究、開発が行われています。またブロックチェーン技術に関連するプロジェクト、プロダクト、またメディアやツール、プラットフォームなど、あらゆるリソースの数において群を抜いています*2。そのためマーケティングにおいては、氾濫する情報やリソースの中で、何を選択し、それをどのように活用するかが肝要です。

 

習慣

中国の人々は、アジア諸国の中でも特にモバイルフレンドリーであり、また厳しい情報統制による伝統的メディアに対する不信感を背景として、人々はソーシャルメディアを積極的活用しています。さらに彼らは血縁的な結びつきが非常に強く、家族あるいは親しい友人以外に対する警戒心が強いことも、個々の人間関係をベースとしたバイラルの発生源であるソーシャルメディアが強い影響力を持つ理由の一つです。

 

メディア

中国には多くのポータルサイトがあり、ブロックチェーン、仮想通貨領域についても海外諸国と比較して圧倒的な数のメディアが存在しています。各メディアが取り扱う情報の特徴だけでなく、政治的なスタンスも様々であるため、プロモーションにおいては発信する情報の性質や内容を考慮しながら慎重にメディアを選定することが重要です。

 

中国には金盾、英語でグレートファイヤーウォールと呼ばれるネット検閲システムがあり、いくつかのグローバルなインターネットサービスは中国国内からアクセスすることができません。有名なものではGoogle、Facebook、Twitterなど、クリプトに関連するところではメッセンジャーアプリのTelegramなどが挙げられます。

 

そうした状況で彼らは、Telegramの代わりに微信 (Wechat) 上に多様なコミュニティを形成しています。Telegramと比べ、Wechatは1グループあたりの人数制限が500人と少ないため、より細分化されたコミュニティが無数に存在しています。その中で複数のコミュニティを管理するコミュニティリーダーが存在し、彼らが一定の影響力を持っています。

 

またグローバルのクリプトコミュニティで人気のあるTwitterの代わりとなるサービスとしては、微博 (Weibo) があります。Weiboユーザーは二十代以下の若年層の比率が多く、投稿される情報は金融・ビジネス関連というよりはカジュアルなものが多いため、クリプト関連情報のやり取りにWeiboがメインで使われることは多くありません。ただしWeiboの拡散性を活かし、Weibo上で話題になっている投稿がWechatを介してさらに広がることがあります。WechatやWeiboでは、過去に中国でICO(Initial Coin Offering)が流行した時期に、中国当局によってクリプト関連情報を扱うグループがBanされたことがある*3 ため、現在でも基本的にWechat、Weibo上でクリプト関連の情報は慎重に取り扱う必要があります。

 

大手メディア巴比特(babbit)が運営する链节点(Chain node)*4 のようなコミュニティプラットフォームも人気です。コミュニティプラットフォームはReddit(5ちゃんねるのような英語版掲示板サイト)やBitcointalk(ブロックチェーン・仮想通貨専門の掲示板サイト)のように掲示板で交流するだけでなく、イベントの募集やQ&A、ブロックチェーンに関する基礎知識や、専門的なチュートリアルまで揃った巨大なコミュニティプラットフォームになっています。こうしたプラットフォームは链节点の他にも数多く存在しており、人々がこうしたコミュニティを通じて、ブロックチェーンに関する正しい知識を学びながら、議論し、交流することで、業界の知識教養レベルをより高い水準に引き上げることに寄与しています。

 

トレンド

中国ではグローバルコミュニティの動向と同じ様に、BitcoinやEthereumなど主要なプロジェクトは高い人気があります。中国はマイニング領域で世界的に先駆的なポジションであるという意味で、PoW(Proof-of Work)通貨、またEOS、TRON、VeChainといった中国発のブロックチェーンプロジェクト、さらにそれらのプラットフォームで発行されるトークンも人気があります。さらに最近ではPolkadotが極めて高い注目を集めており、今後Polkadot上でローンチされるプロジェクトにも大きな注目が集まるでしょう。

また中国にはNode capital、Fembushi capital、FBG capitalといった世界的に著名なクリプト専門ファンドも数多く存在するため、そうしたファンドによる投資動向にも高い注目が寄せられています。ファンドが目を付け、投資しているプロジェクトはコミュニティからも高い関心を集めやすい傾向があります。2020年にはDeFi(Decentralized Finance)の世界的ブームが起こりましたが、これは中国でも例外ではなく、2021年も継続して注目されることになりそうです。2021年はまたクロスチェーンプラットフォ-ムも大きな注目すべきテーマとなっていきそうです。

 


 

まとめ

・中国ではソーシャルメディアやクチコミが主要な情報源である
・市場を理解した上で、的確なチャネル選定とクチコミ化しやすい手法が重要である
・規制や政治など、中国市場特有の注意すべき問題点がある

 

次回は韓国市場について書きます。

また下記のリンクでは、中国、韓国の市場動向の概要と英語圏のクリプトメディアの概要を見ることができます。

海外クリプト市場動向 ※2020年12月時点

 

 

*1 The Current State of Blockchain Patents (https://kisspatent.com/blockchain-patents-study)
*2 Nation leads world in blockchain projects (http://www.china.org.cn/business/2019-04/02/content_74636929.htm)
*3 腾讯回应多个区块链公号被封:涉嫌发布ICO等炒币信息,永久封停 (http://news.china.com.cn/2018-08/22/content_59655824.htm)
*4 链节点 (https://www.chainnode.com/)

 

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